2010年7月21日水曜日

平成22年度 懇話会

夏休み初日となる2010年7月21日(水)、大宮区役所にて、さいたま市教育委員会健康教育課の先生方を講師に迎え、事業内容についての講話が行われました。


健康教育課では夏期休業中の事故防止について、学校と家庭が連携し、児童に対して安全指導を徹底するよう啓発する文書を配布するなど、痛ましい事故を防ぐための指導を行っているとの報告がありました。
また、学校・保護者・地域ボランティア・関係機関で構成する「学校防犯ネットワーク」について、今年度の二学期から、モデル校を中心に体制の整備を推進していくとの説明がありました。それについて質疑応答では、参加者から様々な質問や提言があり、熱心な議論が展開しました。

子ども達の安全をどう守っていくか、改めて考えさせられる良い機会となりました。

2010年7月3日土曜日

平成22年度 役員セミナー

「さいたま市PTA協議会 平成22年度 役員セミナー」が、2010年7月3日(土)、浦和コミュニティーセンターにおいて開催されました。

開会のことば、市P協の磯田和男会長のあいさつにひきつづき、新役員の紹介がありました。

磯田会長のご挨拶

メインは、さいたま市教育委員会桐淵博教育長による講話です。
教育委員会とは、市長が変わっても教育方針が極端に変わることがないように設置されたものであること。
教育長は、市の職員ではなく教育委員6名(政令指定都市)のうちの一人であること。
小中学校の教員については、政令指定都市の場合、採用は市が行い、給与は国と県が支払っていること。
自身は、三人の子どもを育てたこと。母子家庭で育ったことから父親を知らないこと。妻は看護師で夜勤があったため子育ては大変であったこと。
…などなど、途中、教育委員会やご自身のことにも触れながら、さいたま市の教育方針についてのお話でした。

講話終了後には、特別支援教育振興会からの協力支援の要請、市P協および同事務局からの諸連絡等があり、閉会しました。

以下には、桐淵博教育長の講話の内容を簡単に紹介いたします。

桐淵教育長の講和

「日本一の教育都市」を目指して~さいたま市教育委員会 教育長 桐淵博氏~

1 基礎的な条件
さいたま市は、現在19ある政令指定都市のうち中堅規模の都市である。小学生数はほぼ横ばいの約6万7千人、中学生数は微増の約3万1千人、合計約10万人で、少子化の傾向はいまだ現れていない。
しかし、市民の人口動態統計(男女別・年齢別人口)を見ると笠地蔵型となっており、10年20年後の高齢化の傾向(就労者人口の減少)が見込まれる。

2 さいたま市教育の目指すもの
さいたま市では、家庭教育、学校教育、社会教育という領域と、幼児、学校、青少年、生涯学習等のライフステージ進行の異なりから、「さいたま市教育総合ビジョン」を策定している。
そのうち「学校教育ビジョン」では、従来からある「知・徳・体」に「コミュニケーション」(適切な人間関係を築く力)を加え理念としている。これら四つを結ぶものとして「ゆめをもち、未来を切り拓く、さいたま市の子ども」として、「将来なりたい職業をみつけられる子ども」「自分の言動に責任のもてる子ども」「クリティカル・シンキングのできる子ども」の三つの目標を掲げている。

3 成果と課題
成果としてさいたま市は、全国学習調査(過去3年間)において、小中学校ともに全国・大都市(政令指定都市+東京23区)・埼玉県のいずれの平均をも上回っている。成績が良いのは、子どもたちが塾に通っているからではないと言って良い。
「生活習慣や学習環境に関する質問紙調査」(小学校)では、「家や図書館で、普段(月~金曜日)、1日当たり30分以上、読書をする」や「家で自分で計画を立てて勉強をしている」、「自分には、良いところがあると思う」が際立って高い。
中学校においても同様の好ましい傾向が見られる。気にかかるのは就寝時間が遅くなることで、さいたま市の中学生は「遅寝早起き」である。これは部活動のためだと考えられる。
課題は、不登校の児童・生徒の数が全国平均より多いことで、政令市19のなかで真ん中くらいである。また、暴力行為が中学校では多い。原因に幼稚性の強いものがあることが気になる。いじめの認知件数は減ってはいるが、定義によりその数は大きく変動するので数値を鵜呑みにすることはできない。
さいたま市が取り組んできた誇るべき独自のものとして、平成17年度からの人間関係プログラムと英会話コミュニケーションがある。学校図書館司書および臨時教員補助員(少人数指導サポートプラン)の全小中学校への配置、加えて学校学級支援員、部活動指導員、アシスタントティーチャー、地域講師などもある。
ただし、さいたま市の予算削減に伴い、小学校体育授業サポーター、理科支援員、学校警備員が縮減の方向にある。学校警備員の配備は全国的には珍しく、昨年の調査では政令指定都市で堺市(大阪府)とさいたま市のみである。
今後、多くの人々の目で学校の安全を確保する「学校安全ネットワーク」の構築へと転換していきたい。「学校安全ネットワーク」は、推進モデル校によりスタートしたい。

結びとして、大宮区役所そばにあった「キッチン井上」での食事を通して子どもたちに伝えた「職業に貴賎はない」こと、『ギリシア奇談集』(岩波文庫)からの引用や「地には平和を」(加藤周一『高原好日―20世紀の思い出から』(ちくま文庫))、吉野弘の詩「奈々子に」「burst」(「魂のはなしを!」)などを、自身の信念として紹介し、話を締めくくった。